BRICS結束に各国の思惑 貿易戦争で中国は支持固め=坂東賢治
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ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議が7月25日から27日まで南ア・ヨハネスブルクで開催された。2009年の初会合以来10回目の首脳会議。ロイター通信(7月24日)は「トランプの貿易戦争の脅しがBRICSに新たな目的を与えた」と伝えた。
ゴールドマン・サックスが南アを除く4カ国の頭文字を取った「BRICs」のアイデアを提唱したのが01年。4カ国は09年にロシアで初の首脳会議を開いた。11年から南アが参加し、欧米とは一線を画す地域大国の集まりという性格も強まった。
14年にはBRICS銀行の創設に合意したが、順調な成長を続ける中国、インドに比べ、残る3カ国は資源大国の優位性を生かせず、成長率にもばらつきがあり、過去5年間の域内貿易は減少していた。そこに「トランプ政権の登場で共通の利益が急浮上した」と、ロイター通信は南アの専門家の分析を紹介している。
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週刊エコノミスト
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