リーマン・ショック10年 私のリーマン・ショック 丹羽宇一郎 「永遠に好景気」の幻想崩壊…
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「永遠に好景気」の幻想崩壊 米国に劣る日本当局の甘さ
米国に進出した日系企業の間では、リーマン・ショックの数年前から「ニューエコノミーで永遠に好景気が続く」という幻想があった。私が当時会長を務めていた伊藤忠商事も、円高を武器に米国への投資を進めてきた。当時から米国現地法人の幹部の中には成績を評価されて、伊藤忠商事の社長より高い報酬を得る米国人が数人出始めていた。
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しかし、この幻想が崩れると、自動車販売や住宅資材事業の不調によって、2010年3月期に米国現地法人が大幅減益となった。ただ、その後の米国現地法人の立ち直りは早かった。米国の景気回復を背景に、次年度はリストラ費用を計上したものの、2年後には大幅増益により黒字化した。米国経済の底力を感じた。
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週刊エコノミスト
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