リーマン・ショック10年 存在感高める中国 「米中二極体制」に日本はどう立ち回るか=三尾幸吉郎
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世界経済の勢力図はリーマン・ショック後の10年で大きく変化した。国際通貨基金(IMF)の統計によると、2017年の世界名目GDP(国内総生産)は79.9兆ドル(約8800兆円)、世界第1位の米国のシェアは24.3%で約4分の1を占める。第2位の中国は15.0%で、米国の約6割にとどまるものの、第3位の日本(6.1%)の2.5倍の経済規模に達しており、世界経済の米国一極体制は崩れつつある(図1)。
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リーマン・ショック前の世界経済は、米国一極体制だった。07年の世界名目GDPは58.1兆ドル、世界第1位の米国のシェアは24.9%と現在とほぼ同じだが、第2位以下を見ると日本(7.8%)、中国(6.1%)、ドイツ(5.9%)、英国(5.3%)、フランス(4.6%)と有力なライバルが存在しないガリバー体制だった(図2)。
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週刊エコノミスト
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