経済・企業特集

リーマン・ショック10年 キーワードで振り返る 100年に1度の危機の深層 「低体温経済」の常態化=小玉祐一

    日米独の実質中立金利の推計
    日米独の実質中立金利の推計

    「100年に1度」とも称された金融危機、その象徴的なイベントであるリーマン・ショックから、はや10年が経過した。当時の金融市場は、世界経済が崩壊の瀬戸際にあるとの恐怖感に覆われていたが、米国政府・中央銀行の綱渡り的な危機対応もあって、米国経済は早期にリセッション(景気後退)を脱却、足元まで9年以上にわたり回復期が続いている。

     欧州では、財政面が脆弱(ぜいじゃく)なPIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)と呼ばれた国々で、金融と財政の危機が負の連鎖を招いた分、回復が遅れた。いわゆる欧州債務問題である。しかし、IMF(国際通貨基金)、EU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)が協力して財政危機国への資金支援の枠組みを整えたこともあって、危機は次第に鎮静化。足元の景気は4年以上にわたり回復が続いている。日本の景気拡張期もまる5年を超え、史上最長に迫る勢いである。

     日米欧とも失業率はすでに歴史的な低水準にあるが、その一方で、インフレ率が加速せず、金融危機以前の平均成長率を下回る傾向もある程度共通している。世界的に「低体温経済」が常態化しつつあると言えるかもしれない。

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