新たな面白がり方で古い文化を再生させる=都築響一
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自分も本を作るし、他の人が作ったものを読ませてもらう読者でもあるわけですけど、いままでと違うアプローチで作り手、書き手が面白がっているものや、へえ、こういうのにハマるんだ!って、驚きをもたらしてくれる本がいいですね。
例えばかつて輝いていた歌謡曲という文化は廃れてしまいましたけど、いま、一部の若い人のあいだでは強い関心をもって受け入れられているわけです。歌謡曲というのは、作曲家が作って歌手が歌う、という分業が完璧に確立されていて、それが彼らには新鮮なんですね。そういう背景があるから、『昭和歌謡職業作曲家ガイド』なんて本が生きてきます。この本はもう1冊、2015年に同じ出版社から出た『昭和歌謡ポップスアルバムガイド 1959-1979』と姉妹編で、それはアルバム、こっちは作曲家のガイドブックです。
「フリー作曲家たちの登場」「グループ・サウンズ黄金期を支えた作曲家」といったふうに細かくコンテンツが分かれていて、重要な作曲家たちの作品レビュー、プロフィール、業績などが細かく記載されている第一級の資料です。
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週刊エコノミスト
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