教養・歴史特集

AI時代の教育論「ゴリラ力を持て」鼎談 浜田宏一×新井紀子×柳川範之

異なる立場から教育改革の必要性を語り合った(撮影=武市公孝)
異なる立場から教育改革の必要性を語り合った(撮影=武市公孝)

有識者鼎談 AI時代に負けない子を育てる

「ゴリラ力と読解力を持とう」 新井紀子(国立情報学研究所教授)

「周りの意見に合わせる必要はない」 浜田宏一(エール大学名誉教授、内閣官房参与)

「好奇心の芽を摘まない環境づくり」 柳川範之(東京大学大学院教授)

── 今の日本の教育の現状はどうなっているか。

新井 私は、教科書や新聞から抜き出した150字未満の非常に短い文を読んで、そこに書かれている意味を選択する「リーディングスキルテスト」を開発した。そして、全国の中学生や高校生約5万人を対象に実施したところ、中学生の3分の1程度は、ほぼ教科書の読み方が分からない状態で中学校を卒業していることが分かった。今の問題集は私たちの時代に比べて解答部分の厚みが何倍にもなっている。私たちの世代は、答えが間違っていると、自分の証明や計算のどこが間違っていたのかをチェックした。だが、今の中学生や高校生はそれができない。そのため、解答部分を懇切丁寧にしてしまう。ある大学教授が数学の問題が分からなかった時にどのくらい悩むかを大学生に聞いたところ、1分や2分という回答が多かったという。昔は1日や2日は考えていたと思うが、悩むことに耐えられなくなっている。自分がどのように勉強して分かった状態になったのかが分からなくなっており、それは東大でも増えていると思う。

── 東大の現場で教えていてもそう感じるか。

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