教養・歴史アートな時間

映画 ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 率直さと完全主義を共有し、天才と天才がつながり合う=芝山幹郎

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男  (C)AB Svensk Filmindustri 2017 
ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男  (C)AB Svensk Filmindustri 2017 

1980年のウィンブルドンは、いまも忘れがたい。私は少し前に40日ほど入院し、病み上がりの青い顔でテレビにしがみついていた。そのせいか、記憶も鮮明だ。

 3時間55分もつづいたあのテニスの死闘が映画になった。題名はそのまま「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」。沈着なベースライン・プレイヤーだったビヨン・ボルグ(スヴェリル・グドナソン)は「氷の男」といわれた。短気で口汚いネット・ラッシャーのジョン・マッケンロー(シャイア・ラブーフ)は「悪童」と呼ばれて警戒された。

 そんなふたりが、一歩も引かぬ戦いを繰り広げる。典型的な「氷と炎の対決」と見えるだろうが、意外にも両者には通底する部分があった。

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