「所得連動返済型ローン」の可能性=河越正明
有料記事
定額返済型の困難を緩和可能
借り手の所得の状況に応じて返済額が変わる所得連動返済型のローンが日本でも導入され始めたが、これには潜在的な大きなニーズが見込まれ、政策ツールとしても重要である。
通常のローンでは、住宅ローンの元利均等返済のように借り手の状況に関係なく、一定額を返済することが多い。返済額が一定であるために、不幸にして借り手の経済状況が思わしくない時には返済が苦しくなる。一方、所得連動返済型のローンは、借り手から見れば苦しい状況の時に返済が軽減されるので助かる。これは将来の不確実性に対して保険が付いているローンと解釈でき、大きな不確実性に直面している借り手には有効だろう。例えば災害復興の際の被災企業・家計に対して有効かもしれない。
残り2413文字(全文2736文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める