ディスプレーが色あせない「量子ドット」の先端技術=津村明宏 電子デバイスの今/18
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電子デバイス業界では近年、「量子ドット」が注目を集めている。量子ドットとは、直径が10ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の半導体の微粒子を指す。主にカドミウム系やインジウム系の金属微粒子が用いられる。こうした微粒子は、紫外光など特定の波長の光を当てると、粒径の違いに応じて赤や青、緑に発光する。
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量子ドットは紫外光を長時間当てても色あせることがほとんどないため、こうした性質を利用して、電子デバイスおよび電子デバイス材料として実用化しようとする研究開発が盛んに行われている。例えば、液晶ディスプレーやLED照明の色味を向上したり、太陽電池が吸収できる波長を広げて発電効率を高める波長変換材料に使ったり、病巣を特定するバイオマーカーに利用しようといった取り組みがある。
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