池谷裕二の闘論席 渋滞緩和の最善策は課金か
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渋滞を緩和する最善策は、交通量に応じて課金すること──。そんな議論が専門家の間で交わされている。
アメリカでは1人当たり年間42時間の渋滞に巻き込まれている。渋滞はストレスであるだけでなく、物流遅滞も深刻だ。渋滞による経済損失はアメリカ、イギリス、ドイツの3国で約50兆円という見積もりがある。また、渋滞中は自然走行時より平均80%以上も余計に燃料を食うため、環境にも優しくない。
渋滞緩和策の一つは、人工知能によるカーナビ誘導だ。最新のGPS(全地球測位システム)は数センチ単位で車の位置を測定できる。そこで道路状況に応じて各車の経路を振り分けるのだ。特定の道路への一極集中が回避できれば、街全体としては効率的な交通が確保される。ただし、渋滞した場合より早く目的地に到着できたとしても、当人としては遠回りさせられた感覚になることもあり、素直に誘導に従わない人もいるだろう。
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週刊エコノミスト
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