片山杜秀の闘論席 国営地震保険に取り組んだ東条内閣
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太平洋戦争が始まってすぐ、東条英機内閣は、国民強制加入の国営地震保険の制度作りに取り組んだ。
関東大震災で首都が壊滅してから日本海軍によるハワイ奇襲攻撃まで、18年しかたっていない。為政者たちは次の大地震を心配していた。何しろ日本は災害大国である。
アメリカやイギリスや中国を相手に大戦争をしているさなか、もしも大都市圏に被害の及ぶ巨大地震が起きたらたまらない。兵隊に軍需産業の労働力。国民をギリギリいっぱいまで動員して極限まで緊張を強いている。そこに大震災が襲えば、おそらく継戦は不可能になるだろう。せめて災害に対応する国営保険くらいは作って、国民や企業を安心させなく…
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週刊エコノミスト
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