現代版ココムへと変貌する対中貿易戦争
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米中貿易摩擦が止まらない。8月の通商協議も成果なく終わり、双方が第2弾の追加関税と報復措置に踏み切った。米国は9月にも2000億ドル(約22兆円)の追加関税を準備しており、早期発動する意欲を示している。
一方で米国は、同盟国への態度を軟化させつつある。欧州連合(EU)のユンケル委員長と貿易障壁の撤廃で合意し、「世界の貿易システムを台無しにしてきた中国との戦いで、米国とEUは同盟国となる」と共通の敵へ矛先を向けた。メキシコとは北米自由貿易協定(NAFTA)改定で大筋合意し、カナダも続くと期待されている。
「同盟国に優しく、反米国に厳しい」ことが明らかになるにつれ「トランプ大統領の暴走」「保護貿易への退行」と騒がれた貿易戦争は次第にその正体を現しつつある。それはつまり中国をターゲットとした現代版ココム(COCOM、対共産圏輸出調整委員会)である。
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週刊エコノミスト
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