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安倍「圧勝」か石破「善戦」か 「次の次」もにらんだ総裁選=前田浩智

自民党総裁選の記者会見で質問に答える安倍信三首相(右)と石破茂元幹事長(9月10日撮影)
自民党総裁選の記者会見で質問に答える安倍信三首相(右)と石破茂元幹事長(9月10日撮影)

 自民党総裁選には次の党総裁(首相)を選ぶという直接的な役割以外にも、さまざまな役割がある。その一つが「次の次」の総裁候補を絞り込むことである。

 今から12年前、2006年総裁選の投開票を自民党本部8階のホールで取材していた。立候補したのは、安倍晋三、麻生太郎、谷垣禎一の3氏だった。

「安倍晋三君267票」。選挙管理委員長が最初に安倍氏の国会議員票を読み上げた瞬間、勝利したにもかかわらず、会場内には「ふーん」と低い響きの微妙な反応が広がった。谷垣氏の票数発表の時は「ほー」、麻生氏は「おー」であり、笑顔をのぞかせたのはむしろ敗れた麻生、谷垣両氏の方だった。

 安倍票への反応が微妙だったのは、国会議員票全402票に占める得票率が66%で、目標の7割を下回ったためだ。党員票197票を合わせた全体の得票率も66%だった。

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