経済・企業特集

私はこう見る サウジアラムコIPO断念 サウジはサウド王家の「家」=福富満久

 サウジアラムコの新規株式公開(IPO)取りやめは、サウジアラビア王家のプライドであり、米国を中心とする国際金融市場への反発と見る。その意味では断念したのではない──。筆者のこうした見方に違和感を持つ読者がいるかもしれないが、それはサウジに対する根本的な誤解が影響している。

 すなわち、サウジは日本のような民主国家と理解してはいけない。国王家であるサウド家の「家」であり、アラムコは同家の重要な財産という理解が必要だ。今回の決断は、サウド王家の国際金融秩序、ひいては米主導の国際秩序に対する反旗ののろしとなるかもしれない。

残り2631文字(全文2892文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月13日号

電力が無料になる日 NTT、東電、トヨタが拓く未来14 NTT、東電、トヨタの共闘 捨てる再エネは「宝の山」 ■金山 隆一18 インタビュー 森島龍太・電池サプライチェーン協議会業務執行理事 「電池は国家のエネルギー戦略そのもの」19 電池のリユースは自動車業界の命綱 ■藤後 精一20 EV電池の送 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事