国際・政治東奔政走

安倍氏3選で問われる外交戦略 米国頼みの時代は終わり=及川正也

    4月の日米首脳会談では「ゴルフ会談」をした安倍晋三首相(中央)とトランプ米大統領(米フロリダ州で4月18日、内閣広報室提供)
    4月の日米首脳会談では「ゴルフ会談」をした安倍晋三首相(中央)とトランプ米大統領(米フロリダ州で4月18日、内閣広報室提供)

     安倍晋三首相が9月20日の自民党総裁選で3選を果たした。首相が公約に掲げた一つに、「戦後日本外交の総決算」がある。東アジアに残る東西冷戦の残滓(ざんし)を取り除くと意気込む狙いは、北朝鮮、ロシア、中国との関係改善だ。とりわけ、注目度が高いのが北朝鮮問題だが、その前途は明るいとはいえない。

     日本独自のアジア外交は、強固な日米関係があってこそ、可能になる。しかし、その足元を、他でもない米国が揺さぶっている。首相は3選後、ただちに日米首脳会談と国連総会出席のためにニューヨークに飛んだが、この事前調整で明らかになった「笑うに笑えぬ」エピソードを紹介しよう。調整の内情を知る日米外交筋から聞いた話だ。

     一つは、「幻のゴルフ会談」である。日米首脳会談の日程調整の過程で、ホワイトハウス側から「トランプ大統領が安倍首相とゴルフをしたいと言っている。ニューヨーク郊外のニュージャージー州にトランプ氏が所有するゴルフ場がある」との打診を受けた。トランプ氏との「ゴルフ外交」を自慢げに語る首相だが、今回は「時差がきつい」という理由で難色を示したという。

    「トランプ氏と会うたびにゴルフか」との批判が出て訪米直前の総裁選に影響が出るのを嫌ったというのが本当のところだろう。政府内には「断ると気まずくなる」との声も漏れたが、結局は「トランプ氏側の都合」で見送られた。微妙な日本側の立場などおかまいなしのトランプ氏には外務省内に徒労感も漂うという。

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