マーケット・金融ワールドウオッチ

英マネロン対策の不備、パキスタン資金で露呈=竹鼻智

 英国は古くから世界の金融拠点だが、同時に資金洗浄(マネーロンダリング)の標的となってきた。金融機関の職員は雇用形態が正規か非正規かを問わず、全員にマネーロンダリングに関する研修が義務付けられるなど、政府が厳しい制度を設けている。しかし9月、現在英国籍を持つパキスタンの中道左派政党・パキスタン人民党の元幹部とその妻が、英国内の不動産物件を所持する際に不正に資金を得た疑いで逮捕され、英国のマネロン対策がいまだにもろいことが明らかになった。

 逮捕容疑は、2013年に発覚したパキスタンのアシュラフ元首相の汚職疑惑に絡み、元幹部がパキスタン国内に所有する資産の凍結処分を受ける直前、アラブ首長国連邦の最大都市ドバイにある複数の関連会社を経て、妻が所有する英国内の銀行口座に数百万ポンド(3億~5億円)振り込んだ、としている。夫妻はこの資金を英国内の不動産取得に充て、その他に取得した分と合わせて、総額8000万ポンド(約118億円)超分を所持…

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週刊エコノミスト

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