5Gで中国排除、オーストラリアの本音は=守屋太郎
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オーストラリア政府はこのほど、次世代モバイル通信「5G」のインフラ整備で、中国通信大手ファーウェイと中興通訊(ZTE)の参入を排除した。公式発表では名指しは避けたが、「不正な通信アクセスや妨害による安全保障上の脅威」(通信省)を理由に、新しい外資規制を導入。事実上、2社を締め出した。
これに対し、ファーウェイの豪州法人は「消費者にとり、きわめて残念な結果」と反発。国内通信業界からも「競争が制限されるため、通信産業全体にとってよくない」(豪通信大手TPGのレビー最高執行責任者)との批判が出ている。
トランプ米政権は既にスパイ活動や情報漏洩(ろうえい)など安保上の懸念から2社を排除。米国の安保政策と一蓮托生(いちれんたくしょう)の関係のオーストラリアも追従した形だ。中国が軍事拠点化を進める南シナ海での「航行の自由」作戦でも、豪軍は米軍と共同歩調を取ってきた。だが、人口約2500万人と国内市場が小さいオーストラリア経済は、最大の貿易相手・中国への輸出や中国企業の投資に頼らざるを得ない。「中国と…
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週刊エコノミスト
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