チャイナウオッチ 環境規制にあえぐ繊維産業 原料高騰で中小企業が廃業=岩下祐一
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中国の繊維産業を担う中小企業が試練の時を迎えている。人材不足や環境規制の強化によるコスト高が経営を圧迫。そこに米中貿易戦争への懸念が加わり、重苦しいムードが漂う。2008年の金融危機を乗り切った企業のオーナーも、かつてないプレッシャーを感じている。大企業を優遇する政府の方針もあり、中小の廃業が今後増えそうだ。
「月給3000元(約5万円)のスターバックスには人が集まるのに、7000元(約11万6000円)の工場には集まらない」。製造業関係者のSNS「微信(ウィーチャット)」上では最近、こんな文章が盛んにシェアされている。工場の仕事は若者から敬遠され、沿海部を中心に中小工場の従業員の高齢化が進行。「5年後にみんな定年退職してしまう」(江蘇省南通市の縫製工場オーナー)という状況で、経営が難しくなっている。
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週刊エコノミスト
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