日本の電子部品は技術絶対視の発想から転換し「負け癖」解消を=長内厚 最強!ニッポン電子部品
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戦略 発想転換で「負け癖」解消を=長内厚
日本のエレクトロニクス産業は、BtoC(消費者向け)の領域ではここ20年、韓国や中国のメーカーに押されてきたが、アップルのiPhoneが日本製デバイスなしに生産できないように、BtoB(企業間取引)のデバイス事業ではまだまだ強みを見せている。
なぜデバイスなのか。BtoCでは消費者の購買行動の不確実性が高いことや、顧客の価値が多様化し、必ずしも高機能、高性能な製品が売れるのではなく、デザインや使い勝手などが重要だ。実直な技術屋集団としての日本の電機各社が丹念に技術成果を積み上げるだけでは市場のニーズに応えられなくなってきたことが挙げられる。
その点、デバイス事業は顧客企業が特定されており、顧客側は合理的な意思決定をするだけの技術情報を持ち合わせているので、不確実性が低く、技術の良しあしが製品の価値につながりやすいので、従来の日本的な技術主導のビジネスに向いているといえよう。
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週刊エコノミスト
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