「史料を広く公開し、研究に貢献したい」江川洋=「江川文庫」代表理事 問答有用/720
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アヘン戦争の勃発に日本列島が震撼し始めた時、西郷12歳、龍馬4歳、晋作1歳。待ったなしの国難に、伊豆の一代官の身で果敢に立ち向かった幕末の知られざる巨人・江川英龍。その英龍関連を中心に、江川家が継いだ中世以来の史料約7万点を伝承する。
(聞き手=山崎博史・ジャーナリスト)
「史料を広く公開し、研究に貢献したい」
「英龍の行動の根幹には、人々を慈しむ心があった。だからこそ、人々が共感し、遺志が引き継がれた」
── 江川家42代当主として主宰する、江川文庫とは。
江川 江川家は江戸時代を通じて、伊豆の韮山で世襲代官を務めていましたが、その屋敷が国指定重要文化財「江川家住宅(江川邸)」として残っています。江川家には豪族だった中世以来、古文書やら書・絵画、典籍、焼き物、武器、写真など、多岐にわたる史料約7万点(うち約4万点が国指定重要文化財)が伝わっており、江川文庫はそのすべてを引き継いだ公益財団です。現在、江川邸の蔵などに史料を保管し、ごく一部を邸内に展示し…
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週刊エコノミスト
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