週刊エコノミスト Onlineワールドウオッチ

フィリピン 波紋呼ぶ税制改革 優遇縮小で投資打撃か=大堀真貴子

 フィリピン下院を9月に通過した包括的税制改革(CTRP)第2弾の法案「機会創出のための税制改革(TRABAHO)」を巡り、国内で反発の声が挙がっている。

ワールドウォッチ

現行法では、日系など外資系の多いフィリピン経済区庁(PEZA)登録企業には3~6年間、法人税が免除され、その後の所得税は永続的に総所得の5%の優遇税率(固定資産税を除く、ほかの国税・地方税は免除)が適用される。法案では、法人税を現行の30%から段階的に20%まで下げる代わりに、現行制度を2~5年間で撤廃するとしている。

 上院は11月に審議を開始。2016年に税優遇を受けた企業は3102社あり、うち2358社が5%課税の適用を受けた。PEZAのプラザ長官は、法案成立で特区内の国内や外資系企業の正社員149万人のうち5割近い人が失職すると警鐘を鳴らす。100万人超を雇用するビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の事業コストは、競合するインドより20%割高となり、22年までに見込まれる新規雇用が4割縮小すると…

残り291文字(全文736文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事