「キングメーカー」ロシアの企図 過去最大の極東軍事演習=福富満久 新冷戦とドル・原油・金
有料記事
今年9月、ロシアが極東で実施した大規模な軍事演習「ボストーク2018」に、中国が初めて参加した。ロシアは兵士約30万人、1000機以上の軍用機、戦艦2隻、すべての空挺(くうてい)部隊を動員。中国軍も3000人を投入した。演習の規模はソビエト連邦崩壊後、最大となった。合同演習は、中露の軍事面での緊密な結びつきを誇示し、米国をけん制した。今のロシアは、台頭する中国との関係を強化することで存在感を増している。
中露は、技術開発や経済協力でも関係を強化している。軍事演習を始めたのと同時期の9月、中露の政府系投資機関が共同で設立した「ロシア中国投資基金(RCIF)」は、中国の投資会社と共同で、両国のハイテク企業を誘致する拠点をロシアに作る計画に約13億ドル(約1470億円)投じると発表。資産1億ドル(約113億円)のベンチャーファンドを立ち上げたことも明らかにした。特に、IT分野でめざましい発展を遂げた中…
残り1795文字(全文2199文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める