スウェーデンに学ぶ「議論の進め方」 短期の利害排し、長期安定の仕組みを=駒村康平 本誌版「社会保障制度審」第23回
有料記事
10月2日に第4次安倍改造内閣が発足した。長期政権となった安倍政権の大きな政治使命は、長期的に安定した社会保障制度の確立であり、早速「未来投資会議」で「人生100年時代」の社会保障制度改革の議論がスタートした。連載一覧
「人生100年時代」と言われている。現実の平均寿命は男性81歳、女性87歳(2017年)だが、現在も寿命の伸長は続き、17年の人口推計では65年の女性の平均寿命は91歳と推計されている。今後さらに発展すると予想される医療技術により将来、がんなどの3大疾病が克服されると寿命は6歳程度延びるため、人生100年も空想の話ではなくなる。
他方、子どもの減少は続いている。1975年に人口問題研究所(現在の国立社会保障・人口問題研究所)が予測したように合計特殊出生率が2の大台を維持できれば、今年の出生数は当時と同じ200万人のはずだった。しかし、現実には毎年の出生数は100万人を下回り、50年前後には50万人程度になる。1年間で生まれてくる子どもは、約80年間で4分の1にまで減少することになる(図)。
残り2881文字(全文3340文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める