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スルガに「モノ申した」機関投資家 対話求められる社外役員=山口利昭

「機関投資家の行動規範」が威力を発揮し始めた(今年5月の会見で不祥事について謝罪をするスルガ銀行の米山明広社長(左、当時)
「機関投資家の行動規範」が威力を発揮し始めた(今年5月の会見で不祥事について謝罪をするスルガ銀行の米山明広社長(左、当時)

 2018年6月開催の定時株主総会における大手機関投資家による議決権行使結果の開示もほぼ出そろってきたが、最近、市場関係者や法律実務家の間で話題になっているのがスルガ銀行の取締役選任議案への大手機関投資家の議決権行使状況である。

 事案の概要を説明すると、不動産業「スマートデイズ」によるシェアハウスのサブリース(一括借り上げ)事業が頓挫し、シェアハウス建設に投資した所有者が返済不能に陥った。そして今年3月には、融資元銀行であるスルガ銀行の融資姿勢が問題視され、金融庁が同行に報告徴求命令を出す事態となった。

 スルガ銀行行員の不適切融資への関与が表面化する中で、5月には第三者委員会を立ち上げ、事実や原因の究明を第三者に委ねた。そして、同行で繰り返されていた数々の不適切行為が報告書によって明らかにされたのは9月に入ってからである。このような経緯の中、新たに同行の取締役9人の選任を決議する定時株主総会が、6月28日に開催された。

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