週刊エコノミスト OnlineBook Review

『日本の地域別生産性と格差 R-JIPデータベースによる産業別分析』 評者・土居丈朗

    『日本の地域別生産性と格差 R-JIPデータベースによる産業別分析』 編者:徳井丞次(信州大学教授)
    『日本の地域別生産性と格差 R-JIPデータベースによる産業別分析』 編者:徳井丞次(信州大学教授)

     地方創生や地域活性化とうたい政策を講じるものの、わが国の地域間の経済格差は縮まる手応えが得られない。本書は、地域間格差は今後縮小していくのか否か、そして縮小していないならその原因は何かという疑問に答える分析結果を示し、地域間格差の真因に迫っている。

     本書では、経済産業研究所が一橋大学と協力して構築した「R─JIP」(都道府県別産業生産性)データベースに関わる研究をまとめている。各県のGDP(国内総生産)である県内総生産の動きは、供給側から「資本」と「労働」、技術革新などの「全要素生産性」(TFP)という3要素に分解できる。R─JIPは都道府県ごとの付加価値と資本、労働などのデータを産業別に推計して公開されている。

     わが国の経済発展の過程で、人口1人当たり県内総生産でみた地域間格差は、明治期には拡大したが、長期的にみれば大正時代以降、なかでも戦後の高度成長期から1970年代ごろまで縮小傾向が続いていた。地域間格差縮小の要因は、第2次産業の労働生産性格差の縮小、低所得の府県で第2次産業シェアを高くする産業構造への移行という二つの要因が相まって起きたとしている。

    残り664文字(全文1150文字)

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