『日本の地域別生産性と格差 R-JIPデータベースによる産業別分析』 評者・土居丈朗
有料記事
編者 徳井丞次(信州大学教授) 東京大学出版会 5400円
丹念に統計構築、分析 地域間格差の真因探る
地方創生や地域活性化とうたい政策を講じるものの、わが国の地域間の経済格差は縮まる手応えが得られない。本書は、地域間格差は今後縮小していくのか否か、そして縮小していないならその原因は何かという疑問に答える分析結果を示し、地域間格差の真因に迫っている。
本書では、経済産業研究所が一橋大学と協力して構築した「R─JIP」(都道府県別産業生産性)データベースに関わる研究をまとめている。各県のGDP(国内総生産)である県内総生産の動きは、供給側から「資本」と「労働」、技術革新などの「全要素生産性」(TFP)という3要素に分解できる。R─JIPは都道府県ごとの付加価値と資本、労働などのデータを産業別に推計して公開されている。
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週刊エコノミスト
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