『地域発イノベーションの育て方 リソースから紡ぎ出す新規事業』 評者・後藤康雄
有料記事
著者 徳久悟(山口大学准教授) NTT出版 2500円
著者自身が蒸留酒を開発 地域資源の活用手順詳述
地方に出張する機会が多く、そのたび日本の食文化の豊かさに感動している。地域ならではの名産品は他ではなかなか味わえず、ありがたみはひとしおである。本書は、地域ならではのリソース(資源)から新事業を生み出す「地域発イノベーション」の指南書である。
そもそもイノベーションとは古くて新しいテーマだが、主導する要因を「必要性(ニーズ)」と「技術的な種(シーズ)」に分けて整理することが多い。事業者サイドの種から始まるという点で地域発イノベーションはシーズ型に近いといえる。しかし、種といっても卓越した研究者の画期的な発明・発見と、地域のリソースでは性格が大きく異なる。筆者は地域リソースに基づくものを「リソース・ドリブン・イノベーション」と名付け、そ…
残り784文字(全文1156文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める