『日本企業の採用革新』 評者・加護野忠男
有料記事
著者 服部泰宏(神戸大学大学院准教授) 矢寺顕行(大阪産業大学准教授) 中央経済社 3000円
日本的慣行は変わるか? 先導事例とデータで展望
本書は、2人の若い経営学者による調査をもとにした研究書である。取り上げられているのは日本企業にとって極めて重要な問題だ。
日本企業は、働く人々の共同体という性質を持っている。その性質を決める重要なファクターは入り口の採用基準である。
日本の企業は米国とは明らかに違う採用の仕方をしている。米国企業は職務(ジョブ)に空席が生じたときにそのジョブを埋める人を採用するのに対して、日本では毎年の一定の時期になると、新卒をまとめて採用するという慣行がある。新卒一括採用と呼ばれるこの制度がいつごろから始まったのかは定かでないが、これまで大きく変わることなく続いてきた。
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週刊エコノミスト
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