新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online Book Review

『公文書問題と日本の病理』 評者・上川孝夫

『公文書問題と日本の病理』 著者:松岡資明
『公文書問題と日本の病理』 著者:松岡資明

著者 松岡資明(学習院大学客員教授) 平凡社新書 800円

民主主義の成熟度示す「記録」保存への姿勢

 公文書というと、一般の人々には縁遠い印象を与えるかもしれない。しかし最近日本では、森友学園や加計学園、自衛隊の日報問題など公文書を巡る問題が噴出し、議論の的となった。日本には情報公開や公文書管理に関する法律があるのだが、一体どうなっているのだろうか。本書はこの問題に精力的に取り組んできた著者による最近作である。

 2011年に施行された公文書管理法(正式名称は「公文書等の管理に関する法律」)では、行政文書には保存期間が設けられ、管理簿に登録する必要があるのは保存期間1年以上の文書である。保存期間が満了すると、歴史的価値を有する文書を国立公文書館などに移管して半永久的に保存し、公開する。これが公文書管理のサイクルである。そのため、不開示の決定や文書の廃棄を行って指摘された場合、「1年未満の文書だった」「個人…

残り776文字(全文1182文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事