増税と景気 税収増は14年の4分の1程度 手厚い対策で緊縮財政効果減=永浜利広
有料記事
2019年10月の消費増税前後における一般政府の歳入増加額を試算すると、軽減税率はじめすでに確定している対策のみを考慮しても、前回14年4月の4分の1程度になる。
参考のために1997年4月と14年4月、19年10月のそれぞれについて、マクロの歳入増減額は、日銀が試算した消費増税前後の家計のネット負担額から推定できる。97年は税率の引き上げ幅は2%で、税収増は年5.2兆円。だが、所得減税打ち切りや医療費自己負担増などの歳入増が重なり、直接的には年8.5兆円の大きな歳入増と計算される。
しかも景気対策がない中で、97年6月にアジア通貨危機が起こり、11月に山一証券の破綻など金融システム不安が生じて景気は腰折れをしてしまった。そのため、自然減収も考慮した最終的な歳入増加額は年8.5兆円を大きく下回った可能性が高い。
残り2380文字(全文2741文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める