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製造業でアメリカ復活の幻想=市岡繁男

 米世論調査によるとトランプ大統領は常に約4割の支持率を維持してきた。その中核は海外への工場移転で職を失ったブルーカラー層。同大統領は就任演説で「この十数年間、自国の産業を犠牲に外国の産業を潤してきた。それは一切変わる」と述べ、公約通り、諸外国に強硬な姿勢を貫いている。それが彼らに支持されている理由だ。

 米ブルーカラー層の苦境は2001年12月、中国のWTO(世界貿易機関)加盟で始まった。それ以降、中国への工場移転が加速し、ネット対外直接投資額は約10倍に拡大。工場閉鎖による失職者は低賃金労働に移行せざるを得ない。対外直接投資額と雇用者報酬の分配率低下が連動しているのはこのためだ(図1)。

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