週刊エコノミスト Online注目の特集

ソフトバンク上場 売り出し価格の14%超安 将来の業績見通しに不安も=花谷美枝

波乱の船出となった(Bloomberg)
波乱の船出となった(Bloomberg)

 ソフトバンクグループ(SBG)傘下の通信子会社ソフトバンクが12月19日、東京証券取引所第1部に上場した。SBGはソフトバンク株の3分の1超を売り出し、約2兆6000億円を調達した。調達金額で1987年のNTT(約2.3兆円)を抜き、日本企業のIPO(新規株式公開)では過去最大となった。

 ただ、初日の株価は低調で、売り出し価格1500円に対して初値は1463円(売り出し価格から2.5%安)、19日の終値は1282円(同14.5%安)だった。初値で計算した時価総額は7兆35億円、終値では6兆1371億円となり、1日で1兆円以上が吹き飛んだことになる。ソフトバンクの宮内謙社長は19日の会見で、初値について「真摯(しんし)に受け止めてこれをスタート地点に取り組んでいきたい」と話した。

 12月6日に大規模な通信障害が発生したことが株価に影響したとの見方があるが、ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役は「そもそも売り出し価格の設定が高すぎた」と厳しい評価だ。「試算では1200~1300円が適正株価。初値は妥当な価格に収束した結果と言える」(菊池氏)と指摘する。

残り517文字(全文1008文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事