新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online 独眼経眼

米国の景気後退への警戒はまだ過大=足立正道

図1 米国の長短金利差は景気後退を示唆していない
図1 米国の長短金利差は景気後退を示唆していない

 米国の景気後退に対する警戒が強まっている。米国のイールドカーブ(債券の償還期間が長いほど利回りが上昇する関係を示した曲線)が2年と5年で逆転した(図1赤線)ほか、新規失業保険申請件数がここ数カ月で明確に増加したからだ。金融市場におけるリスクオフの心理が強まっている。

 しかし、イールドカーブの形状が示唆する景気の先行きに対する評価は分かれている。すなわち、「逆イールドは景気後退の前兆として歴史的に信頼できる」という主張と、「構造的要因の変化によってこれまでとは違う」という主張だ。変化とは、タームプレミアム(期間に伴うリスクに応じた上乗せ利回り)の低下を指す。

 FRB(米連邦準備制度理事会)内では、複数の地区連銀総裁が前者だが、ワシントンのFRBやニューヨーク地区連銀は後者である。2018年夏、FRB事務局は、イールドカーブの形状が景気後退のサインを送っているわけではない理由を説明した研究報告を公表している。短期金利のスプレッド(2年と3カ月)はタームプレミアム低下の影響を受けず、より正確に景気後退を示唆すると考えられるが、逆転が近づいているわけではな…

残り608文字(全文1090文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事