景気拡大は減速するも続く=渡辺浩志
金融政策における「炭鉱のカナリア」といえば、金利に敏感な住宅投資だ。米国のGDP(国内総生産)ベースの住宅投資は、2018年に入ってから3四半期連続で減少しており、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げがいよいよ実体経済の減速に作用してきたことを示唆している。米国株式市場の軟調もあり、金融市場ではFRBのハト化(利上げの慎重化)待望論が渦巻いている。
そうしたなかでFRBは、政策金利が中立金利(経済成長を加速も減速もしない政策金利の水準)に近付いてきたと考え、今後の政策運営は経済データをよく見ながら柔軟に行う構えを示し始めた。つまり、これまでのような四半期ごとの機械的な利上げから、今後は景気動向に沿ったストップ・アンド・ゴーへ移行するようである。
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週刊エコノミスト
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