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週刊エコノミスト Online 闘論席

池谷裕二の闘論席 脳は意外に即断派?

撮影 武市公孝
撮影 武市公孝

 ここに2人の現代アーティストの絵画がある。用意した40枚を1作品ずつ見せていくので、どちらの作家が好みかをできるだけ早く決めてほしい。さて、何枚見れば自分の好みを判断できると思うか──。 そんな実験が行われた。米シカゴ大学のクライン博士らが「米国科学アカデミー紀要」に2018年12月に発表した研究だ。

 判断に要すると本人が予測した枚数は平均16.3枚だったが、いざ実験を行うと、現実はずいぶんと異なる。わずか3.5枚で決断したのだ。予想より80%も少ない。博士らは、食品の好みや人物の評価、伴侶の選択などに範囲を広げ、全7種の調査を行ったが、いずれも本人の当初予想よりも少ない情報量で判定することがわかった。自己評価だけではない。「人々はどれほど情報を参考にするか」と予想させても、現実よりも多く見積…

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