池谷裕二の闘論席 人は何をどこまで理解できているのか
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人は何をどこまできちんと理解できているのか──。そんな疑問を抱かせる論文が発表された。米ノースウェスタン大学のステジャー博士らが9月に発表した遺伝子に関する研究だ。
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生命の理解はこの100年で一気に進んだ。たんぱく質やDNAといった光学顕微鏡では見えないミクロの分子を扱う実験技術が躍進したからだ。その結果、多くの生命現象が分子レベルで詳細に記述されるようになった。
現代生物学の教科書にはさまざまな分子が登場する。ミクロなパーツが複雑に絡み合い、精密機械のように精緻に作動する生命現象に誰しも驚かされるだろう。そして、研究者たちはこう感じた。「ずいぶんと理解が進んだものだ」
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