片山杜秀の闘論席 政府の「見えざる手」
有料記事
東京オリンピックは2020年の開催。その5年後の25年の万国博覧会開催都市には大阪が立候補している。それから札幌が、26年の冬季オリンピックに意欲を示していたが、9月6日の大地震の影響から、目標を30年に切り替えるという。
「闘論席」一覧
オリンピックも万国博覧会も、立候補して開催する主体は都市である。しかし、東京オリンピック招致活動での安倍首相の活躍に端的に示されるように、招致と開催における中央政府の役割は大きい。20年と25年と30年という5年ごとの絶妙な並びには、政府の「見えざる手」が働いていないとも言えない。
何しろこの並びは、不思議なことに高度経済成長期の日本の美しい記憶をなぞろうとしている。1964年の東京オリンピック、70年の大阪万博、72年の札幌オリンピックである。8年の幅での出来事を、今度は10年の幅で繰り返そうというのだ。
残り425文字(全文801文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める