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ジャーナリストに敬意を払わない日本は野蛮だ=小林よしのり(漫画家)

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

 フランスでは危険地帯で取材するジャーナリストが人質になり、解放されて帰国すると、空港で英雄として迎えられる。兵隊とジャーナリストは命がけで民主主義を守る特別な存在として敬意を払われるからだ。

 国民の生命財産を守るために軍隊があり、民主主義の基礎である「知る権利」を守る存在としてジャーナリストがいるという、民主制国家の基盤を国民が知悉(ちしつ)しているのだ。

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 だが日本では、自衛隊は戦力ではない中途半端な(実力)組織であり、知る権利を担保するジャーナリストの貴重さを、国民が全然分かっていない。

 日本人は「ムラの論理」で生きているので、「世間様に迷惑かけたら謝罪しろ」とか、「お上に盾突くとは何事か」とか、「恥ずかしながら、とうなだれて帰国しろ」とか、「危険地帯に行くな」とか、「成果が上がったのか」とか、「テロ集団にカネが渡ったから反省しろ」とか、同調圧力でジャーナリストを萎縮させる。

 こんな野蛮な因習は、他の民主主義の先進国にはない。

 2004年、イラク戦争の最中に3人の日本人が武装勢力の人質になって、解放されたことがあった。そのときも日本では「自己責任」のバッシングが吹き荒れた。その現象に対し、当時のパウエル米国務長官は言った。

「もし誰もリスクを引き受けようとしなかったら、私たちは前に進むことができなくなる。彼らのような市民や、リスクを承知でイラクに派遣された自衛隊がいることを、日本の人はとても誇りに思うべきだ」

「私たちは『あなたはリスクを冒した、あなたのせいだ』とは言えない。彼らを安全に取り戻すためにできる、あらゆることをする義務がある」

 民主主義国家なら普通のことが、日本人には通じない。ムラ社会の因習にとらわれたままだからだ。

(小林よしのり・漫画家)

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