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リベラルは反平和なのか=小林よしのり

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

 韓国最高裁が、戦時中の「徴用工」だったという者の訴訟で日本企業に賠償を命じる判決を下して以降、韓国の反日的態度は目に余る状態である。

 この問題に日本のいわゆる「リベラル」の論客は韓国に対して異様に寛容で、ひたすら日本側の譲歩を求めているが、それは完全に間違っている。

 いわゆるリベラル論客は、この件で日本の排外主義があおられることを危惧しているのだろうが、それは問題の本質ではない。

 一番重大な問題は、「韓国が条約を守らない」ということである。

 元徴用工にせよ、元慰安婦にせよ、日本が韓国を併合していた間についての補償問題は1965年に日韓基本条約と同時に締結された日韓請求権・経済協力協定によって「完全かつ最終的に解決」している。韓国最高裁の判決は条約による決着を踏みにじり、国際法を蹂躙(じゅうりん)する無法行為なのである。

 国際法の原点は1648年の「ウェストファリア条約」といわれる。それまでの国際社会は、ただ双方が互いの利益を主張して戦争で決着をつける弱肉強食のルールが全てだったのに対して、戦争をせずに済むルールを作ろうとしたのがその出発点である。

 国際法秩序による平和を維持するには、各国が条約を順守することが大原則である。条約が無意味になったら、4世紀時代をさかのぼって、戦争しか問題解決の方法がない弱肉強食の世界に戻る以外にないのだ。

 条約を平気でほごにする韓国の態度を容認するリベラルは、自分を寛容な人間だと思っているのだろうが、それは単なる偽善であり国際法秩序の破壊を招く「反平和主義」でしかない。

 わしは平和を守りたいから、韓国を甘やかさない。

(小林よしのり・漫画家)

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