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中国 中国SF界に文理両道の才女現る=辻康吾

 中国でSFが盛んになって久しい。2015年に劉慈欣(リウツーシン)の『地球往時三部作』が、世界的なSF文学賞であるヒューゴー賞を受賞したこともあって、多くの作品が次々と発表されている。日本でも中国系米国人ケン・リュウの『紙の動物園』(ハヤカワ文庫SF、680円)、同じくケン・リュウ編のアンソロジー『折りたたみ北京』(早川書房、1900円)などが翻訳出版されている。その中で大きな話題となっているのが女流作家の夏笳(シアジア)の活躍である。

 夏笳は1984年、西安生まれ。北京大学物理学部に入学し、さらに同大比較文学で博士号を取得するなど文理両道を修めた才女で、現在は西安交通大学講師を務めている。文壇登場の処女作品は04年に発表した「関妖精的瓶子」(「瓶詰めの妖精」の意)で、中国国内のSFコンテストである銀河賞を受賞し、15年には英科学誌『ネイチャー』に作品が掲載されて、国際的にも注目されるようになった。

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