経済・企業平成経済30年史

ノーベル賞躍進のワケ 受賞数は昭和の3倍に激増も 研究力で米中との差が拡大=寺裏誠司

図1 主要国の論文数の推移
図1 主要国の論文数の推移

 2018年のノーベル医学生理学賞が、本庶佑(ほんじょたすく)・京都大学特別教授に授与された。日本のノーベル賞受賞者は、昭和の63年間は7人だったが、平成の30年間では20人に激増した(米国籍の南部陽一郎氏と中村修二氏、英国籍のカズオ・イシグロ氏を含む)。中でも、物理学賞8人、化学賞6人、医学生理学賞4人と自然科学系が多い(76ページ表)。日本人の自然科学系の受賞者は計23人と世界5位となった。

 ノーベル賞の受賞者の選考過程は受賞の50年後まで明かされないが、基本的には生存する研究者のうち、社会に貢献する発見を最初に行い、優れた業績を上げた者が対象になるとされている。過去の功績も精査され、研究成果である論文被引用数が多いほど受賞の可能性は高い。論文被引用数の多さは研究者が優れていることを示す尺度だ。その研究者が論文をどれだけ多く発表しているか、論文が発表されてからどれだけ期間がたっている…

残り2450文字(全文2849文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事