増える在留外国人 264万人と「共生」社会作りを=山脇啓造
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平成の30年間は、日本に定住する外国人が大幅に増加し、日本社会が大きく変容した時代といえる。1989(平成元)年の入管法改正を機に、89年には97万人だった在留外国人数は、2018年6月末時点で264万人と2・7倍になった。この間、日本は「安価な労働力」として多くの外国人を受け入れてきたが、多文化共生社会作りは後れを取っている。在留外国人は今後も増加が見込まれる中、このままでは社会の軋轢(あつれき)が深刻化しかねない。
日本の在留外国人は89年時点で、特別永住者など韓国・朝鮮人が7割だった。08年のリーマン・ショックまでは中国人と日系人を中心にブラジル人が増加。現在は中国人が最多の3割弱を占め、ベトナム人などの増加も目立つ(図)。在留外国人は現在、日本の総人口の2%に相当し、30年間で福岡市と同じ規模の人口が増加した。この30年間の政策動向などを振り返ると、(1)89~00年、(2)01~08年、(3)09~1…
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週刊エコノミスト
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