経済・企業平成経済30年史

相次ぐ自然災害 経済影響は3段階で表れる インタビュー=小峰隆夫・大正大学教授

    (出所)編集部作成
    (出所)編集部作成

     日本は巨大な自然災害から逃れられない宿命にある。2度の大震災も経験した平成の教訓とは。(聞き手=種市房子・編集部)

    ■「フロー」と「ストック」に分けて考える必要があり、さらにこの二つの要素は短期・中期・長期に分けて表れる。フローは、生産・流通や収入・支出など日々流れている経済活動を示す。ストックは、住宅、工場、社会インフラなど、ある一時点での経済価値の存在量を表す。

    ■災害発生直後は、「フェーズ1」 として、ストックの毀損(きそん)が起きる。二つの震災のストックの毀損額はさまざまな数字が出されているが、阪神・淡路より東日本の規模が大きかったのは確かだ。被害地域が広範だったことや、1995年以降、日本全体で社会インフラも産業設備も集積が進んでいたからだ。

     次に、「フェーズ2」では、フローも打撃を受ける。まず、被災地で生産・消費がストップする。物流網やサプライチェーンが停滞し、消費も心理的影響から冷え込む。阪神・淡路では、シューズメーカー休業など生産活動が落ち込み、消費も冷え込んだ。ただし、全国的影響は限定的で、直後は、実質GDP(国内総生産)四半期成長率も下落しなかった。

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