教養・歴史平成経済30年史

混迷した日本政治 再び野党結集、政権交代目指す 小沢一郎・自由党共同代表

     ベストセラーとなった著書『日本改造計画』を世に問うたのが1993(平成5)年。日本政治のキーパーソンであり続けた小沢一郎氏は平成の30年間に何を思うのか。

    (聞き手=桐山友一/白鳥達哉・編集部)

    ■僕は、平成という時代の日本政治は、半世紀にわたった自民党中心の政権から、真に日本に議会制民主主義が定着していくまでの大きな過渡期だったと考えている。この間、細川政権(1993年)、民主党政権(2009年)と政権交代が2度あった。しかし、今もまだ議会制民主主義(が定着するまで)のプロセスの中にある。僕は次の時代に、議会制民主主義を定着させて確固たるものにしたい。

    ■当たり前の話だ。政治と経済は裏腹の話で、政治は森羅万象に大きな影響力を持つ。日本でそれまで半世紀近く自民党政権が続いたのは、先進国では異常なことだった。それを、普通の民主主義国家にしようとするのは一度にはできない。経済も同じだ。

    ■もっと早く手を付けられただろう。一番問題なのは安倍政権。80年代にサッチャー英政権やレーガン米政権が採用した新自由主義は、さまざまな格差や矛盾を生み出した。にもかかわらず、日本だけがいまだ新自由主義の名残を残している。我々は民主党政権時代、「国民の生活が第一」と言い、国民の懐を豊かにすることが経済発展につながると訴えてきた。政権交代がスムーズにいっていれば、これほど不公正・不平等な社会にはならなかった。

    ■素人が政権に就いたのだから仕方がない。そう簡単にはいかない。英国の議会制民主主義(が確立する)には何百年もかかっている。民主党政権については、僕は衆院選(09年)の半年前から国策捜査でじゃまをされていた。せっかく作った民主党政権に直接関わることができなかったのは、はなはだ残念だった。マニフェスト(政権公約)を作るまでの僕の主張と、その中身が実行されていれば、今でも民主党政権は継続していたはずだ。

    ■ずぶの素人だから、役人に「そんなお金はない」とか「そんなことをしたら大変なことになる」と言われ、それに従ってしまった。マニフェストを批判する人も出たが、マニフェストのおかげで政権ができた。マニフェストを批判したのは、役人に反対されて実現できなかったからだろう。

    ■僕は消費税そのものには反対していない。むしろ、いいと思っている。日本は(所得税など)直接税の比率が6割を超えており、他国に比べても高い水準だ。社会保険料などを加えると、その比率はさらに高くなる。だから、間接税(である消費税の割合)をもっと増やしていい。間接税は景気に左右されにくいし、みんなから平等に徴収するから。しかし、それをやるからには、行財政の無駄を省く必要があるし、直接税の減税が必要だ。だから僕は、(96年の新進党党首時代に)18兆円の減税を公約したんだ。

    ■要するに、まったく経験のない人たちが政…

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