中央銀行は政府と対峙し、長期的政策描け
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識者の多くが、米国経済の景気拡大の終焉(しゅうえん)を予想する中で新年を迎えた。政策をめぐるトランプ大統領と米連邦準備制度理事会(FRB)との確執が終焉に拍車をかけているようにも見える。世界経済は米国頼りの構図が強まっていただけに、従来以上に両者の対立に注目度は強まった。
ここ数年の経済政策運営において近視眼的な姿勢が強まったことは無視できない。米国も日本も長期の景気拡大期間が続いているが、米国では、格差の拡大が生まれ、その結果、人々の反乱が下院選挙での民主党の勝利を招いた。日本でも、景気回復の実感は乏しく、潜在的な不満のマグマは蓄積してきている。
トランプ政権も安倍晋三政権も、大型減税や異次元緩和といったカンフル剤的な景気刺激策を続けている。長期的な景気回復は、短期的な政策によって支えられてきたといってもよい。しかし、ローレンス・サマーズ氏やロバート・ゴードン氏らの経済学者が指摘するように、先進国が抱えているのは人口問題や技術革新の停滞、教育効果の剥落などが引き起こす長期的な課題だ。戦略的な対処策が必要な状況であるにもかかわらず、政治は抜…
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週刊エコノミスト
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