経済・企業地銀に負けない信金・信組

市場運用 中長期の視点で資産配分を=三浦哲也

     信金・信組の市場運用は地方銀行と比較してリスクを積極的に取りにいく度合いが強いように思われる。その背景には、相対的に高い資金調達原価とインカムゲイン重視の姿勢、預貸率の低下傾向──の3点があると考えられる。

     信金・信組は地方銀行と比較して市場調達の度合いがどうしても低くなることから資金調達原価は相対的に高く、それをカバーすべく市場運用においては絶対利回り水準の高さを重視する傾向が強い。

     また調達コストの引き下げを能動的に行う余地が狭いことから、投資の開始時点からインカムゲインの獲得を読める有価証券を好む傾向にある。ましてや長きにわたる日銀の異次元緩和策にもかかわらず預金の増加は顕著である(図1)。人口減少に伴い預金の増加に貸出金が追い付かず、市場運用への依存をどうしても高めざるを得ない。

     その結果、信金・信組の市場運用は長い年限の債券を主体にしながら、仕組み債での利回りアップを図ったり、ヘッジ付き外債ファンドの活用やグローバルな金融機関が発行するTLAC(総損失吸収力)債(金融危機に陥った場合に備えて、銀行持ち株会社が発行する社債)や劣後債を購入する動きが一般的だ。信金全体を例に取ると(2018年8月時点)、有価証券に占める円債全体の比率は異次元緩和前の87%から74%へと低下し…

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