活路は「育てる金融」=家森信善
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企業の金融機関に対する期待は変わってきている。融資条件よりも信頼関係やコミュニケーションを重視する姿勢が強まっている。地域金融機関の競争は激しくなってきているが、顧客企業が望んでいる「育てる金融」を実践すれば、必ず勝ち残れるはずである。
金融への期待を表すデータとしては、金融庁が昨年9月に公表した「企業アンケート調査の結果(2018年)」がある。金融機関との取引全般に関する満足度が「高くなった」(「どちらかと言うと高くなった」を含む)企業(3361社)に対してその理由を聞いたところ、「融資条件が良い」(18%)よりも、「事業への理解、信頼関係の構築」(32%)や「有益な情報提供や提案」(19%)が多かった。
17年の「企業アンケート調査」でも結果はほぼ同様で、企業の金融機関を評価するポイントは金利ではなく、事業性を十分に理解し、それに基づいた有益な情報提供などの支援を実施することなのである。筆者はこれを「育てる金融」が期待されていると表現している。
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週刊エコノミスト
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