教養・歴史Book Review

『50年目の「大学解体」 20年後の大学再生 高等教育政策をめぐる知の貧困を越えて』 評者・服部茂幸

    編著者 佐藤郁哉ほか4人 京都大学学術出版会 3800円

    停滞する日本の大学改革 実現可能な具体案を提示

     今、大学改革が病んでいる。壮大な目標とは逆に、日本の研究力が低下していることはよく指摘される。こうした大学改革の病理を明らかにし、代案を提示するのが本書である。

     第1章では二重語法(ダブルスピーク)とエセ演繹(えんえき)型の政策を批判する。例えば、現在の大学にはグローバル化の時代に対応できる人間の育成が要請されている。しかし、その裏には日本経済を再生させる人材の養成という別の目的がある。だから、グローバルに活躍できる人材を育成しても、日本の企業と経済に貢献しない限り、成功にはならない。

     しかも、グローバルな人材をどうやれば育成できるかも具体的にはよく分からない。だから、無理に目標を作…

    残り820文字(全文1167文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,000円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    9月3日号

    絶望の日韓16 「次は自動車」焦る韓国 戦後最悪いつまで ■浜田 健太郎19 インタビュー 申ガク秀 元駐日韓国大使 “法の日本”と“正義の韓国”の妥協点 「韓国政府と日韓企業で徴用工補償を」20 徴用工問題の本質 植民地支配の “清算”に変化 ■浅羽 祐樹22 韓国社会の意識 摩擦招いた道徳的“正 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    最新の注目記事

    ザ・マーケット