教養・歴史海外出版事情

中国 奇談ずくめの歴史漫談=辻康吾

     私の関心の向きもあってか中国の書籍を読むと重苦しいものが多い。その中で偶然目を通した郗文倩(ちぶんせん)教授の『食色里的伝統』(中華書局、2018年)は久しぶりに心を伸びやかにしてくれた。著者の郗教授は秦漢代古典を研究する女性教授で、同書は、その博学の一端を現代中国人の日常にも流れる伝統を背景に紹介したものである。書名にある「食色」は通常「食欲と色欲」を指すが、著者はそれらを含め人間らしい生活という意味で「飲食、服飾、旅行、草木、節季、遊び」の中に今なお伝えられている伝統の影を探っている。

     日本では男の厄年は42歳、中国では「73歳、84歳になると閻魔(えんま)様に呼ばれなくとも自分から…

    残り669文字(全文967文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,000円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    9月3日号

    絶望の日韓16 「次は自動車」焦る韓国 戦後最悪いつまで ■浜田 健太郎19 インタビュー 申ガク秀 元駐日韓国大使 “法の日本”と“正義の韓国”の妥協点 「韓国政府と日韓企業で徴用工補償を」20 徴用工問題の本質 植民地支配の “清算”に変化 ■浅羽 祐樹22 韓国社会の意識 摩擦招いた道徳的“正 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    最新の注目記事

    ザ・マーケット