不動産市況に依存する中国経済=市岡繁男
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中国人民銀行(中央銀行)はドルなどの外貨資産を裏付けに人民元を発行してきた。同行が保有する外貨建て資産は2013年には総資産の8割を占めていた。だが、その後は海外への資金流出が加速し、中国の外貨準備が減少してしまう。そこで同行は、通貨供給の担保として商業銀行への貸し出し債権を多用するようになり、今やその割合は全体の3割まで拡大した(図1)。
商業銀行は中銀からの資金を元に企業や家計に融資するが、その多くは広義の不動産向けだ。つまり、人民元の信用は不動産市況に左右される状況にある。
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週刊エコノミスト
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