同名同期刊の珍事? 「乱」の復元を読む=今谷明
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呉座勇一氏の『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中公新書、900円)が爆発的に売れて以来、中世の戦乱ものの本が多く出されている。昨年12月には坂井孝一著『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』(中公新書、900円)が、先月には本郷和人著『承久の乱 日本史のターニングポイント』(文春新書、820円)が相次いで上梓(じょうし)された。奇観というべきか、珍しい事態である。
出版期日がわずか1カ月の差であるから、お互い、示し合わせて執筆されたものか、あるいは偶然の結果か、ともあれ坂井氏が本郷氏の大学院の先輩という関係である。もっとも、坂井氏は『曽我物語』の研究家で、いずれかといえば文学畑の人、本郷氏は幕府論が専門で、ほぼ同じ諸事件の推移を追いながら、重点の置き方は差異があって興味深い。
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